「TOB」をひとことで言うよ
TOBとは、
ある企業が、他の企業の株を投資家から買い集めること
です。
「TOB」をくわしく言うよ
TOBは、Take-Over Bidの略で、日本語にすると「株式公開買い付け」です。
簡単に言ってしまえば企業を買収する方法の一つです。
「企業を買収する」とは?
まず前提知識で、「企業を買収するとはどういうことか」というお話。
知っている人は「TOBとはどんな手法?」まで読み飛ばしてかまいません。
株は、多く保有すればするほど、その企業の経営に口出しできる権利を得ることができます。
ここでは、「株を多く持てば、その会社を自由に動かせるようになるんだ~」と認識いただければOKです。
でもさ、なんでそんなに特定の企業の経営権を握りたいの?
理由は様々だけど…一番はお互いの成長のためかな
例えば、うちみたいに営業力は高いけど商品力が弱い会社が、
規模はちっちゃいけどすんごい商品を開発してる会社を買収するじゃん
そしたらそのすんごい商品を、うちのすんごい優秀な営業が売って回れるわけよ
すごいことになりそうじゃない?
「買収」と聞くとあまりいいイメージがないかもしれませんが、
買収される側にとっても、自社の商品を世間に広めてもらえるなどのメリットがあります。
一概に「買収=乗っ取られる=阻止しなければヤバいもの」とは言えないんですよね。
時と場合による……というか、買収される側の企業が良いと思うか嫌だと思うかによります。
TOBとはどんな手法?
ここからが本題。
企業を買収するためにはその企業の株を買い集めなければなりませんよね。
TOBは株を買い集める方法の一つで、
すでにその企業の株を保有している人(=株主)から市場外で売ってもらう手法のことを言います。
買収する側の企業は、あらかじめ①買付期間②株数③価格を公示しなければなりません。
買収される側の企業も、そのTOBに対して「賛成」「反対」「中立」の立場を公示しなければなりません。
特定の投資家に不利益がないよう、情報はあらかじめ明らかにしとかなきゃダメよってことだね。
ちなみに、買収される側の企業がそのTOBに賛成の場合は「友好的TOB」、反対の場合は「敵対的TOB」って言うぜ!
で、通常TOBする側が公示する価格は、今の株価よりも高い金額となります。
そうしないと株主は売ってくれないからです。
ちなみに、現在の株価に上乗せした分のことを「プレミアム」と言います。
「TOB」による株価への影響は?
TOBされる側の銘柄を持っていない場合
TOBが発表されると、ほぼ間違いなく株価は上がります。
投資の世界で100%という言葉は使いたくないですが、TOBはほぼ100%株価が上昇する材料と言っても過言ではないでしょう。
なぜなら、TOBする側の企業が「今の株価より高い値段で株買い集めるよー!」と公言しているから。
市場の株価も、公示価格までは確実に上がります。
TOBのニュースを発見して、今の株価が公示価格より安ければ、即買い注文を入れましょう。
市場には「ストップ高」という制度があるので、一日で急に公示価格まで上がったりしません。
公示価格より安く買うチャンスはあるので、ためらわずにすぐ行動しましょう。
TOBされる側の銘柄をすでに持っていた場合
おめでとうございます。
あなたは買収する側の企業から「株を売ってくれ」と言われる投資家の一人です。
あなたの選択肢は3つ。
「TOBに応じて公示価格で売る」「市場で売る」「そのまま保有する」です。
TOBに応じて公示価格で売る
これが一番リスクが少ない方法です。
確実に公示価格で売り、利益を確定させることができます。
ただし、指定された証券会社の口座に株を移管しないといけなかったり、指定された株数の上限に達してしまったらTOBに応じることができない場合もあるようです。
人によってはTOBに応じることができない場合もあるということですね。
市場で売る
市場でほかの投資家に譲るのもありです。
TOBが発表された時点で市場の株価も公示価格近くまではほぼ確実に値上がりしますので、そのタイミングで売っても十分に利益を得られる可能性が高いです。
そのまま保有する
そのTOBによって、買収される側の企業も十分に成長が見込めると判断した場合、
今後の値上がりに期待してそのまま持ち続けるのも一つの選択肢です。
ただ、TOBが完了した後は買収される側の企業が上場廃止になったり、思うように業績が振るわず株価が下落するリスクもあります。
それも踏まえて選択しましょう。
まとめるよ
とにかく、TOBとは、
企業を買収する方法のひとつで、他の投資家から株を買い集めること
だと思っておいてください。
株を多く持っていればいるほど、その会社の経営権が握れるんだよ。