「配当性向」をひとことで言うよ
『配当性向(はいとうせいこう)』とは、
純利益に占める、配当の割合
です。
もう少しくだけて言うと、
1年間の利益のうち、何%を配当に回しますか?の割合
です。
「配当性向」をくわしく言うよ
まず前提知識として、
- 純利益
- 配当
とは何かを軽く説明します。
「純利益」とは
純利益は、会社が得た売り上げのうち、最終的に会社の手元に残った利益のことを言います。
100円のものを1万個売ると、売り上げは100万円です。
ですが、この100万円がすべて会社の手元に残るわけではありません。
材料費やら広告費やら税金やらがかかりますので、最終的に手元に残るお金はもっと少なくなりますよね。
その諸々の費用が引かれた後、最後に手元に残ったお金が純利益です。
「配当」とは
配当は、純利益の中から株主に渡すお金のことです。
株主というのはいわば会社の経営のためにお金を出した人たちです。
そんな株主へのお礼として、会社は利益の一部を株主に配ります。
その株主に配るお金を「配当」と言います。
「お金をくれてありがとう。おかげさまで今年はこんなに儲かりました。
お礼に儲けの一部をあなたたちにお渡ししますね。
これからも応援よろしく!」
っていう気持ちで株主に配るお金のこと、と思っておいて。
「配当性向」とは
ここからが本題。
配当性向とは、純利益のうち、配当に回すお金の割合のことを言います。
例えば1年間の純利益が1000万円だった会社が、そのうち10万円を配当として株主たちに配るとしたら、配当性向は1%ということになります。
配当性向が高ければ高いほど、多くの利益を株主に還元してくれる会社ということになるね。
また、上記では
投資家全員に配る配当金の合計額÷純利益の合計額
で計算していますが、通常は1株あたりで計算します。
1株あたり配当金÷1株あたり純利益
が一般的な計算式ですので、念のため押さえておきましょう。
「投資家全員に配る配当金の合計額」なんて調べにくいし、金額が大きいからね。
「1株あたり」に直したほうがシンプルかつ情報も手に入りやすいから、通常は1株あたりの金額を使って計算するよ。
「配当性向が高い=いい会社」とは限らない!
注意が必要なのは、「配当性向が高ければ高いほど良い会社」とは言い切れないということ。
配当はわずかだけど、得た利益で新しい設備を買って、さらに大きく成長する会社もあります。
配当金が目的なら配当性向は重要な指標だけど、
株価の値上がりによる利益を狙うならそれほど大事な指標ではない。
「配当性向が高い=今後株価が上がる」とはちょっと結びつかないからね。
自分の目的に合った指標で「良い会社」を見つけよう。
まとめるよ
とにかく配当性向とは、
純利益に占める配当金の割合
と思っておいてください。
「そんなの知ってるよ」な人はここまで読み飛ばしてOKだよ。