「売り残」をひとことで言うよ
「売り残(うりざん)」とは、
信用売りをされてから、まだ買い戻されていない株式の総数のこと
です。
「売り残」をくわしく言うよ
「信用売り」って何?
「売り残」「信用売り残」を説明する前に、まず「信用売り」とは何かを解説します。
知っている人はここまで読み飛ばして大丈夫だよ。
株式投資において、「信用」と名のつく売買方法は「信用取引(しんようとりひき)」と呼ばれます。
信用取引とは、自分の持っていないものを借りてきて投資する方法のこと。
たとえば、絶対に上がると思うけど、その銘柄を買うお金がない場合。
証券会社からお金を借りて、その銘柄を買うことができます。
もしくは、絶対に下がると思う銘柄がある場合。
先にその銘柄の株を証券会社から借りて売り、下がってから株を買い戻して証券会社に返す、
なんてこともできます。
高い株価で先に売って、あとで安い株価で買い戻すことで、その差額を利益とする手法です。
この手法を「空売り(からうり)」ともいうよ。
いずれにせよ、
「今、お金を持っていない」
「今、株を持っていない」
だから、証券会社から持っていないものを借りて売買を行っていますよね。
こういった「借りて行う売買」のことを「信用取引」と言います。
証券会社が、借主さんを信用してお金や株を貸すから「信用取引」って言うんだよ。
で、「信用売り」とは、後者の「株を借りて売る」方の動きのことを言います。
絶対に下がると見込んだ人が行う手法です。
「売り残」とは
これを踏まえて、ここからが本題。
「売り残」とは、信用売りをされて、まだ買い戻されていない株式の総数のことです。
信用売りをした株式は、あとで(6か月以内に)必ず証券会社に返さなければなりません。
つまり株価に関係なく、6か月以内に必ず買わなければならないのです。
「売り残」は、その「いつか必ず買われる株式が何株あるのか?」を示した指標です。
売り残が多ければ多いほど、将来たくさん買われることが約束されている。
たくさん買われるってことは、株価が上がるってことだよ。
株価を買おうとしている人の多さのことを「買い圧力」なんて言いますが、この「売り残」は将来の買い圧力の目安になります。
ただし、売り残の逆の言葉である「買い残」という指標もあり、こちらは逆に将来の売り圧力の目安として使われます。
実際に投資判断の指標として売り残をつかうときは、買い残との比較をするのが一般的です。
買い圧力より売り圧力のほうが大きかったら、将来株価は下がるからね。
まとめるよ
とにかく、売り残とは、
・信用売りをして、まだ買い戻されていない株式の総数のこと
・将来の株価を押し上げる「買い圧力」の目安となる指標
と思っておけばOKです。
「信用売り残」なんて言い方もあるよ。