「第三者割当増資」をひとことで言うよ
「第三者割当増資(だいさんしゃわりあてぞうし)」とは、
企業の資金調達方法の一つ
で、
新たに発行した株を、特定の第三者に買ってもらって資金を得る手法のこと
です。
「第三者割当増資」をくわしく言うよ
第三者割当増資とは、企業の資金調達方法の一つです。
新たに発行した株式を、特定の第三者に買ってもらうことで資金を得る方法のことを言います。
ちなみに、新規の投資家を公募する方法を「公募増資(こうぼぞうし)」と言い、
既存の株主に買い増しを募集する方法を「株主割当(かぶぬしわりあて)」と言います。
第三者割当増資の目的は?
なんでわざわざ特定の第三者を探すような方法があるの?
資金調達だけなら公募増資とか株主割当でよくない?
その第三者さんと友好的な関係を結んでおきたいとか、ヤなとこに買収されそうなのを避けたいとか、いろんな狙いがあるんよ。
会社くんの言う通り、第三者割当増資の目的は
- 資金調達
- 新株の引受先と友好的な関係を結ぶ
- 敵対的な買収を阻止する
の3つが代表的です。
自社の株を持ってもらうことで、引受先の会社の関連会社になることができます。
いわばグループ会社のような関係になるわけです。
業務上タッグを組みたい会社とグループ会社になれれば、今後非常に動きやすくなりますよね。
また、発行された株数が増えると、買収先は新しく発行された株の分のお金も払わなければ買収できません。
つまり、敵対的な買収の対抗策にもなるわけです。
第三者割当増資の注意点
第三者に株を引き受けてもらう際、その1株あたりの値段を安く設定しすぎてはいけません。
既存の株主や投資を検討している投資家が怒るからです。
第三者割当増資のルールとして、ここ最近の平均株価の9割が下限となっており、それを下回る場合は株主総会での特別決議が必要です。
また第三者割当増資を行う際は、
- 引受先の第三者は誰か
- 何株発行するのか
- 1株あたりいくらで発行するのか
- この第三者割当増資で得たお金を何に使うのか
などの情報を開示する必要があります。
特定の第三者だけが有利になることがないよう、しっかり情報を開示しなさいよってことだね。
「第三者割当増資」の株価への影響は?
第三者割当増資のニュースが発表されたら、基本的に株価は下がると思っておいてください。
まぁそんな気はしてたけど…なんで?
だって第三者割当増資が必要ってことは、
「うちの会社、今お金に困ってます」って宣言してるようなもんだからな
その通りです。
第三者割当増資は資金調達の手法なので、「お金がない」状態が前提です。
そんな事実が公表されるのですから、株価は通常下がる方向に行きます。
また、1株あたりの価値が下がるのも、株価が下がる原因の一つです。
発行された株数は増えるけど、営業活動による利益はそのままです。
多くの投資家が重視する、「1株あたりどれだけの利益を出してるんだ?」の指標(=EPSと言います)がガクッと下がることになります。
また、株数が増えると、1株あたりに支払える配当も少なくなります。
既存の投資家はこれに対していい印象は抱きません。
よって、売りが加速します。
株数が増えることで1株あたりの価値が下がることを、
「株式の希薄化(きはくか)」というよ。
しかし、100%絶対と言えないのが投資の世界。
第三者割当増資によって株価が上がることもあります。
代表的なのは以下の2つ。
- 増資によって得たお金の使い方が非常に良い。資金繰りに困っているのではなく、会社のさらなる成長のためにお金を使おうとしている。
- 引受先の第三者が非常に良い。タッグを組むことで大いなる成長が見込める。
第三者割当増資をするときは必ずその理由が開示されるから、よーく読んでみよう。
上の二つに当てはまったら、もしかしたら株価が上昇するかも。
ただ、自分は上がると思っても、市場がどう受け取るかは分からない。
初心者のうちは、いったんは手放しておく方が無難かもね。
あっ、あと読んで意味が分からなければ絶対に売ってね!
自分が分からないことには投資しちゃだめだよ!
仮に株価が上がったら悔しいけど、それは仕方ない。
自分には縁がなかったと思って次に行こうね。
まとめるよ
とにかく、第三者割当増資とは、
新たに発行した株式を、特定の第三者に買ってもらうことで資金を得る方法
と思っておいてください。
「新たに株を発行する」っていうのは企業の代表的な資金調達方法なんだけど、
その株を買ってもらうのは、
・新規の投資家
・今の株主
・特定の第三者
っていう3つの選択肢があるんだ。
そのうち第三者に引き受けてもらう方法のことを「第三者割当増資」って言うんだよ。